所信
第41代理事長 酒井 雄矢
「はじめに」
2020年、まさに時代は変遷期であります。元号は昨年5月1日より令和となり、新時代が幕を開けました。西暦においてもこれからの10年に起こる事象や世の流れは「2020年代」と呼称されるでしょう。そして、1980年に産声をあげ、豊明に輝きを創り出し続けてきた一般社団法人豊明青年会議所も、昨年には創立40周年という大きな節目を迎えました。40年間絶えることなく、英知と勇気と情熱を注ぎ、豊明をより良くしようと尽力された先輩諸兄姉に深く敬意を表すとともに、地域の皆様に心より感謝申し上げます。我々はこれからの5年、10年、その後を見据え、豊明をよりいっそう輝かせるため、また、自らも輝く組織となるためのさらなる進化を求められる本年を絶好の契機と捉え、一般社団法人豊明青年会議所という連綿と続く壮大な歴史に、41年目という新章を書き記すべく、新たな一歩を踏み出してまいります。
「持続的に変革させ続ける青年会議所の価値」
青年会議所の運動は、地域社会のための運動です。我々が最も力を傾注させるべきであるのが地域貢献事業なのです。昨今、地域には数多くの団体が興り、「JCしかない時代からJCもある時代となった」と言われ、豊明においても例外ではありません。青年会議所を取り巻く環境が常に変化し続ける中、我々はこの地域に必要な団体であることを証明しなければなりません。ただ、青年会議所の存在価値は明確にあり続けると考えます。我々青年会議所は、明るい豊かな社会の実現を目的とする市民意識変革団体であり、会員一人ひとりが若き能動的市民として、旗手となり率先して行動する使命を自らに課した組織です。青年会議所の特徴は、極めて民主的な会議体であることに加え、持続して課題を掘り下げ、解決を目指し続けること、自身が青年経済人としての自覚をもち、個々の能力を高め成長を目指すこと、会員それぞれが組織的行動や役職によりリーダーシップを学ぶことを一貫して行っていることです。すなわち、一つの考えに囚われ、一つの事業を行い続けるのでなく、自他がともに輝く可能性を信じ持続的に変革させ続ける唯一の組織です。諸先輩方から受け継がれた「豊明青年会議所」という歴史、伝統、財産を継承し、存在価値を再確認しながら、地域の皆様と手を携え、時流に合わせた運動・活動を展開してまいります。
「世界共通の目標、SDGs」
我々が新しく進める指針として、2015年に国際連合サミットで採択された、「2030年までに持続可能で多様性と包摂性のある社会を実現するための17の目標、SDGs『Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)』」という世界共通の目標があります。SDGsは「誰一人取り残さない」ことを誓い、世界中で幅広い分野での改善を掲げており、日本でも目標達成に向けて様々な取り組みが実施され始めています。「持続可能な社会」の創造は青年会議所の目指す「明るい豊かな社会」と方向性を同じくしていることから、2019年より公益社団法人日本青年会議所はこのSDGsを推進しています。もちろん、我々にとっても豊明市民にとっても自分ごとと捉える必要があります。SDGsのシンプルな17のゴールに向かってこの地域でも一人ひとりが着実に進んでいくため、我々はSDGsを学び、取り入れ、豊明で一番SDGsを推進する組織となることを目指します。
「地域を想い、地域から必要とされるまちづくり」
近年、全国的に晩婚化・未婚化の進展による少子化、それに伴った人口減少と高齢化が極めて速いペースで進行しており、豊明市においても少子高齢化の問題に直面しています。家族のあり方の変化に加え、価値観の多様化により、地域のあり方も変貌し、血縁や地縁といったつながりが希薄化しています。こうした繋がりの希薄化は、地域行事・地域活動に関わる機会や、まちの歴史・伝統・文化を識る機会の喪失、ひいては豊明市民としてのシビックプライドの低下を招き、地域の担い手に世代的な偏りを生じさせています。まず市民がまちに関心をもち、やがて愛着を抱き、そしてまちのことは自分のことと捉え、市民による能動的な行動を呼び起こす必要があります。そのために、我々は今一度、このまちの魅力を再認識するとともに、まちに何が一番必要なのか、何が求められているのかを見つめ直さねばなりません。また、よりいっそう地域行政・地域団体の皆様との連携を深め、まちづくりを効果的に広げることが出来る体制を強化することも必要です。我々は地域を第一に考え、地域に寄り添い、より深く根付くという、地域青年会議所のあるべき姿と存在価値を追求し、世代に偏りなく市民がまちに惹きつけられ、市民がまちと縁で繋がり、豊明市が輝くまちとなるための事業を展開いたします。
「地域とともに、未来を描く青少年育成」
地域の未来を担うのは言うまでもなくまちのたからである青少年です。昨今、IT技術の進化により、欲しい情報を獲得するのは容易になりました。情報の量と質が向上する中、現代の青少年が得ている知識量は私たちが青少年期であった時代に比べ、格段に多くなっています。その一方で、失敗に対する寛容さが失われ、リスクのみを恐れ過剰に管理化される社会構造も相俟って、他者との交流の機会や、自らの思考や身体で主体的に行動する機会が減少したために、知識を知恵とし、「生きる力」として獲得する「経験値」が少なくなってしまったのではないでしょうか。青少年は、チャレンジしてみて初めて解ること、五感に訴えかける臨場感、成功や勝利の喜び、失敗や敗北の悔しさ、湧き上がる感情を実体験として多く経験してこそ、心豊かに成長し、未来に夢を描くことが出来るようになります。地域とともに、将来豊明の誇りとなって輝く青少年を育むため、本年度には第38回を数えるわんぱく相撲をはじめ、青少年育成において最も重要な、体験・経験・交流の機会を創出する事業を構築し、将来この豊明が、夢や希望をもち道徳心を兼ね備えた、魅力的に輝く人で溢れるまちとなるよう活動してまいります。
「想いを伝え、同志を増やす会員拡大」
青年会議所が発展するためには、一人でも多くの会員が必要です。会員がより多く集えば、より大きな原動力をもって力強く運動を展開することが出来ます。これは青年会議所運動を推進する上での根幹となります。また、会員同士が目指す方向をともにして「同志」となり、組織として深く繋がりながら助け合い、励まし合い、ともに学び成長していく場であります。これこそが青年会議所活動の意義でしょう。そして、「志を同じうする者」として力を合わせ活動した仲間同士は40歳を迎え卒業した後もなお繋がり、その友情は続きます。これも、青年会議所運動・活動に身を置く上での人生の価値なのではないでしょうか。しかし、会員数が減少すれば、そういったすべての機会は減少してしまいます。会員拡大は、まず、何のために会員拡大をするのかを確認し合うこと、そして、一人ひとりが青年会議所運動・活動に向き合い、魅力的な青年経済人となるべく自己研鑽を行ううちに得た経験と学びを振り返り、まだ見ぬ仲間に自信をもって伝えることが必要です。新入会員を迎えた後も含め、一連の拡大活動そのものが全会員の学びと成長の機会となるよう、全員の総力を挙げられる拡大戦略に取り組んでまいります。
「運動と活動、貢献を通し磨く自己の価値」
青年会議所では組織による地域社会への貢献という運動を通じて、組織で活動を行う中、他では経験出来ない多くの機会が提供されます。そして、同志とともに個々の能力を高め、やがては地域を牽引するリーダーへと成長し、社会や企業など、各所で輝きを放つべく自己研鑽を行う団体です。しかしながら、地域も組織も、周りを巻き込まなければ変えることは出来ません。自らが変わらなければ周りを変えることも出来ません。また、変わるために自分が成長する機会は与えられるものではなく、自ら掴み取らなければなりません。随所で自ら課題を見つけ、解決への道のりを考え、決断し実践する。こういった青年会議所の一連の活動こそが、人を成長させるプロセスとなります。そして、人が本来以上の力を発揮し、成長し輝くのは、自分のためではなく、自らの役割を自覚し、「自らが責任者の一人である」という想いをもって力を尽くす時です。社会、組織、個人、それぞれの意識変革を目指してまいります。
「組織力の強化」
皆が同じ方向に向かって強い力を発揮出来る強い組織であるためには、会員一人ひとりが品格と礼節をもち続けるとともに、組織としての揺るがぬ基軸である規則に則って活動することが重要です。特に、青年会議所はその名の通り会議体であり、重要事項は最高機関である総会で方針が決され、事業の執行については理事会で採決がなされます。組織力を向上させ、より良い事業を実施していくために、まずは例年以上に総会と理事会を定款と諸規則に則り厳粛に行う必要があります。また、当青年会議所の認知度・知名度はまだまだ低いと言わざるを得ません。運動を周知していくためにも広報活動は重要です。既存のホームページ、SNSの投稿の在り方、メディア戦略を再確認し、有効に活用しながら、事業活動報告には地域の問題点に着目した背景や、どのような目的をもって実施したのかを市民の皆様に分かりやすく発信することで、当青年会議所の認知度を高めるとともにその理念を広め、一般社団法人豊明青年会議所のブランド力向上を目指してまいります。
「結びに」
「豊明青年会議所」創立の1980年からこれまで40年間、若き血潮は脈々波打ち、この地で燃え上がり、光を灯し続けました。
私たちも、勇気と好奇心をもって、青年として生き生きと、ともに夢と理想を追いましょう。自信と誇りをもって自らの存在価値を証明し、今を生きた証を刻みましょう。地域のために、仲間のために、未来のために、私たちがやらなくて誰がやる。豊明におけるPositive Changeの源流、それは今まさに輝こうとする、私たち自身です。さあ、私たちの手でムーブメントを起こしましょう。
【2020年度 基本方針】
・高い志と誇りをもつことの出来る、価値ある青年会議所運動と活動の追求
・地域を想い、地域からも必要とされるまちづくり
・地域とともに、未来を描く青少年育成
・想いを伝え、同志を増やす会員拡大
・組織力向上を追求した、健全なLOM運営
【一般社団法人豊明青年会議所 2020年度 スローガン】
輝 く
―誇りをもって、心豊かに、明るい地域の旗手となれ―