所信

 

第44代理事長 蜂谷 仁志

はじめに

 2020年から始まった新型コロナウイルスを起因とするパンデミックは、今も色濃く、我々の生活に影響を与えています。昨年3月に蔓延防止等重点措置が解除されてからは、行動制限を伴う措置の発令はされておらず、政府の方針転換もあったことで、少しずつ本来の生活を取り戻しつつあります。青年会議所の活動においても感染対策についての制約への配慮や、事業スタイルを模索する必要はありながらも、今できる最大限の形で事業を構築してきました。
 私たち青年会議所は、地域が抱える課題を解決するための運動を呼び起こし、市民とともに「明るい豊かな社会」を目指すために活動する団体です。本年度は、一般社団法人豊明青年会議所創立45周年に向けた大きな一歩を踏み出すべく、先輩諸兄姉が積み上げてきた歴史を継承し、そして明るい未来の創造への「挑戦」をメンバー個々人が実践することで、より高みを目指し、共に切磋琢磨し、「修練・奉仕・友情」の三信条を胸に同士として歩み続けます。
 

挑戦しつづける事のできる組織運営

 一般社団法人豊明青年会議所が創立されてから、44年もの歳月が流れました。その過程で、地域環境や生活様式、価値観は大きく変容し、政治、経済、教育、福祉等あらゆる分野で変化・対応がなされてきました。青年会議所の活動・運動においても、従来のやり方・考え方を時節に合わせて変化させながら、突き進んでまいりました。私たちの根底にある思いは今も昔もずっと変わらずに残っています。それは、まちのためひとのために何ができるのかを見極め、市民を巻き込んで明るい豊かな社会の実現を目指すことです。そのためには、私たち自身が青年会議所の理念を今一度確認し、それに向かって挑戦し続けていかなければなりません。
 青年会議所には、組織としての大きな目標があり理念があるということは当然の知識として日々活動していますが、ここで忘れてはならないのが、同じ組織に所属する仲間でもそれぞれ違った個性を持って活動しているということです。色んな人と知り合いたい、地域のために何かしたい、様々な個性があると思いますが、決してこれを蔑ろにしてはなりません。この個性が同じ未来を描きながらも、思い思いに「挑戦」し、1つの方向を向き収束した時、計り知れない力を発揮することができると私は信じます。
 そこで本年度は、メンバー自身が「挑戦することの楽しさ」を実感できるよう活動してまいります。我々の活動が大きなことを成し遂げたとしても、自己満足であっては意味がありません。相手を知り、人を巻き込み、そして意識を変えていく活動を実践することこそ、我々の理想の姿であると確信しています。大きな目標への挑戦の過程には、必ず気づきや学びがあること、そしてその想いが相手に届いた時に初めて得られる達成感をメンバーに伝えられるよう導いて参ります。
 また、皆が同じ目標に向かって力を発揮できる強い組織となるためには、会員一人ひとりが品格と礼節を重んじ、長年受け継がれてきた定款や規則に則って活動していく事が必要です。特に、青年会議所は会議体であり、総会や理事会といった厳正な会議で組織の方針を決定します。楽しみながらも厳粛に、楽しんだ後はしっかり締めることが出来るようメリハリのある組織運営を目指します。メンバーが、青年会議所活動の楽しさを実感し、広い視野で物事を捉えながら的確に判断し、率先して地域を牽引するリーダーとなれるよう導いてまいります。
 

組織全体で行う会員拡大

 会員拡大は全ての活動・運動を実りあるものにするために必要不可欠な活動のひとつです。青年会議所が目指す明るい豊かな社会は、理念を共感した仲間と一体となって活動・運動することで実現に近づきます。一人では限界があることでも、青年会議所で学んだ同志たちと共に社会や地域の課題に対して知識や能力を活かすことができれば、必ず明るい豊かな社会が実現すると信じます。より多くの課題をいち早く解決していくためにも会員数は必要であり、その様々な会員のもつ知識や能力が必要になります。
 2023年度は、正会員全員が会員拡大を自分事と捉え能動的に行動・実践していけるよう、必要な情報、手法を共有すると同時に、昨今課題となっている青年会議所会員の在籍年数の短さを解決するため、若い世代の会員拡大に挑戦します。新たな会員拡大の手法として、若い世代と一緒に活動する機会を増やすとともに、我々の活動に興味を持っていただいた市民を、積極的に事業へ巻き込んでいく活動・運動を行い、理念を共感して頂ける同士を獲得してまいります。そしてそれは、例会事業のクオリティ向上とともに、会員の理念共感力を向上させ、ひいては、一般社団法人豊明青年会議所のブランド力の向上のため必要不可欠な要素となりえます。私たちがまちづくり運動の最前線に立ち、地域の想いを共にし、行動する仲間を一人でも多く迎え入れ続けます。
 

未来を見据えた青少年育成

 豊明市内には、当会を含む様々なボランティアグループやNPOなどの市民公益活動団体があり、福祉や環境保護・青少年育成・まちづくり・国際協力など様々な分野で、行政とは違った角度から多彩なアプローチで課題の解決に取り組んでいます。当会も創立以来、青少年を対象とした事業を他団体と連携して開催してまいりました。本年度も、他団体と力を合わせて市民のニーズに合う未来を見据えた青少年育成事業を行ってまいります。
 この地、豊明で育つ青少年たちは、まちの未来を担う存在です。人の繋がりの大切さや挑戦する心、どんな困難にも立ち向かい乗り越える力、達成感、社会人として生き抜く力を身に着け、この地域の未来に夢や希望を持ってもらう必要があります。青少年は、体験して初めて気づき、自発的に行動することの大切さを、実体験を通して感じてこそ、心豊かに成長することができると考えます。わんぱく相撲豊明場所は、新型コロナウイルス感染症対策により、わんぱく紙相撲という姿に形を変えながらも継承し、第40回を迎えることとなりました。子どもたちに喜びや達成感、悔しさを体験する機会を創出するとともに、他団体との連携をより密なものにし、子どもたちが地域活動に積極的に参加することができるよう、地域ぐるみで子どもたちを育てられる環境を醸成します。そして、子どもたちが地域を愛しながら夢や希望を持つことができる場を創出することで、これからも豊明をずっと大好きでいてくれる青少年の育成を実施してまいります。
 

未来に向けたまちづくり

 本市は名古屋市に隣接し、伊勢湾岸自動車道、国道23号、国道1号などの主要道路と名鉄名古屋本線3駅を有し、尾張地域と三河地域をつなぐ交通の要衝になっており、毎日多くのひとが行き来するまちであると同時に、桶狭間古戦場伝説地をはじめとした、歴史的価値の高い史跡、大脇梯子獅子や上高根警固まつりなどの伝統行事、二村山、三崎水辺公園、ナガバノイシモチソウなど自然・歴史・文化に関連する観光資源が豊富にあるまちでもあります。
 しかし近年、地域のつながりの希薄化や生活環境の変化、趣味の多様化、少子高齢化に伴い、地域の歴史や文化を市民が知る機会やそれを支える後継者となる人財の減少により、保存・伝承も危ぶまれている現状があります。加えて、先日まで猛威を振るっていた新型コロナウイルス感染症への対策として、地域の歴史ある催しなどの中止を余儀なくされたため、加速的に状況が悪化しています。それはすなわち、豊明に魅力が溢れ、足を運んでいただけるまちとなるための明るい未来創造に暗い影を落とすことになりかねません。いまこそ、豊明が持つ魅力を前面に押し出したシティプロモーションを行う必要があると考えます。
 まずは、市民がまちに関心を持ち、そしてそれが愛着を生み、市民による市民のためのまちづくり活動を呼び起こす必要があります。そのためには、我々が豊明の魅力をどのように捉えているのか、また市民がどう感じているのか、正確に判断した上で、新たな見せ方や伝え方を模索しなければなりません。また、地域行政・地域団体との連携をより強固なものにし、市民を巻き込んだまちづくり活動が出来る体制を構築することも必要です。我々がその架け橋となり、市全体の気運を高め、老若男女問わずまちづくりに参加できるよう導いてまいります。そして、我々が地域に寄り添いながら、豊明を愛する市民とともに市外への魅力発信を積極的に行うことで、豊明をもっと魅力ある活気に溢れたまちへと進化を遂げられるよう、未来に向けた取り組みを実施してまいります。
 

未来へ繋ぐ広報戦略

 近年の情報通信技術の進展は著しく、誰もが情報の発信者になることが可能になりました。これまで受動的であった情報収集は、自ら取得しにいく能動的なものに変化しつつあります。つまり、市民のニーズに柔軟に対応するためには、様々な形の広報を使い分けることが重要になって来るという事です。広報活動は地域に寄り添い、地域に根付く青年会議所を目指す上で最重要事項といっても過言ではありません。時代に即した新たな広報の形へ進化させる必要があると考えます。
 まず、会員拡大活動や例会実施にあたり必要となってくるのは、我々の認知度にあると考えます。どんな団体なのか、どんな活動をしているのか、的確にそして強くアピールしなければなりません。そこで本年度は、当会のホームページ・各種SNSを、もっと身近に感じて頂けるよう試行を凝らすと同時に、動画コンテンツも利用しながら視覚的に市民に訴えかけるとともに、我々の活動が市民の目に直接触れることができるよう広報の機会を増加させていきます。
 また、我々自身も広報活動をする上で必要な知識を吸収し、どのようにアプローチしていくべきか考え、実践していくことも必要です。数多ある広報手段の中から的確に選定し、広く市民へ呼びかけていく技能を身に付けてまいります。一般社団法人豊明青年会議所が未来永劫地域に根付く団体となれるよう、ファンづくりに力を注ぎ、地域に愛され、親しまれる団体となれるよう全力を尽くします。
 

結びに

 青年会議所に入会して6年目、そして本年度卒業を迎える私に、第44代理事長という大役を任せて下さったメンバーの皆様に、心から感謝するとともに、身に余る光栄と責任の重さで身が引き締まる思いです。先輩諸兄姉から受け継いだ43年の想いと情熱を胸に抱き、地域のために、仲間のために、未来のために1年間邁進してまいります。
 

 失敗したっていいじゃない 
 恰好悪くたっていいじゃない

 自分の信じた道はどこまでも貫き通す 
 その挑戦の先をみんなで見に行こう

 
 さあ、みんな。挑戦を楽しもうぜ。青年としての英知と勇気と情熱をもって、ともに夢と理想を追い求めようぜ。現在いまだからこそ出来る、現在いまの俺達の挑戦が未来あしたへ繋がると信じて。
 

未来を切り拓く希望ひかりとなれ!

 
 

【2023年度 基本方針】

 

  1. ・挑戦しつづける事のできる組織運営
  2. ・組織全体で行う会員拡大
  3. ・未来へ繋ぐ広報戦略
  4. ・未来を見据えた青少年育成
  5. ・未来に向けたまちづくり

 

【一般社団法人豊明青年会議所 2023年度 スローガン】

 

『挑戦を楽しめ!

-未来を切り拓く希望ひかりとなれ!-